README(リードミー)とは、プロジェクトの概要や使い方をわかりやすく説明する文書です。
主に開発者や利用者が対象で、プロジェクトの目的、導入手順、実行方法などをまとめることで、誰が見ても迷わず扱える状態をつくるのが役割です。
Laravelのようなフレームワークを使ったアプリ開発では、複数の設定や手順が必要になるため、READMEがあることでセットアップが圧倒的にスムーズになります。
特に、新しく参加したチームメンバーや、後日プロジェクトを見直す自分自身にとっても、READMEは「最初の手がかり」として機能します。
READMEの目的と役割
READMEの主な目的は、プロジェクトの“中身”を理解するための手引きとして機能することです。
単なる紹介文ではなく、誰が見てもすぐにセットアップできる状態に導く案内役となります。
- 初めてこのプロジェクトを扱う開発者が、必要な準備をすぐ把握できる
- 他の人に共有したとき、使い方や目的を説明する手間が省ける
- 時間が経ったあとに自分が見返す際にも、導入手順を思い出せる
Laravelアプリの場合は、環境構築に複数の手順(.env 設定・マイグレーション・サーバー起動など)が必要になるため、READMEがあることで初期設定ミスや混乱を防ぐことができます。
どんなことを書くのか
READMEに記述する内容は以下のようなことを記述します。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| プロジェクト名 | アプリの名前を記載。READMEの冒頭に配置すると分かりやすい。 |
| 概要・目的 | このアプリで何を実現するのか。機能や対象ユーザーなどをひとことで伝える。 |
| 機能一覧 | 実装されている主な機能(例:入力 → 確認 → 完了、管理画面、DB保存など)。 |
| 動作環境 | PHP / Laravel のバージョン、DBの種類など。事前に必要な環境を明記。 |
| 依存パッケージ | Laravel以外に使用する外部パッケージがあれば列挙(インストール手順とも連携)。 |
| インストール手順 | git clone → composer install などのコマンドと順番。 |
| 環境設定 | .env ファイルのコピー・編集手順。APP_KEY生成なども記載。 |
| マイグレーション手順 | DB準備の流れ。php artisan migrate など実行コマンド。 |
| 開発サーバー起動方法 | dockerを使用する場合はdocker-compose.ymlなどを一緒に添付。 |
| 使用方法(アクセスルート) | 最初にアクセスすべきURL(例:/contact)や、画面の導線の案内。 |
| 補足事項/注意点 | 認証不要・データ初期化・メール送信なしなど、注意しておくべき点。 |
| ライセンス | MITや商用利用可否など、配布や利用の範囲に関する情報。 |
| 参考リンク(任意) | Laravelの公式、使用パッケージのURLなど、学習・確認用の外部情報。 |
MarkDownとは
Markdown(マークダウン)は、パソコンが苦手な人でも使いやすい“文章の書き方”です。
見出しやリスト、強調などを、記号を使って簡単に表現できるのが特徴です。
たとえば、こういった感じです:
# タイトルと書けば、ページの見出しになります- や *を使えば、箇条書きになります**重要**とすれば、太字になります
特別なソフトや難しいコードは不要で、普通のテキスト感覚で書けるのが嬉しいポイントです!
LaravelのようなWebアプリを作るときには、プロジェクトの説明や使い方を伝える「README」ファイルを書くことが多く、Markdownがあればきれいで読みやすい文章がすぐに作れます。
基本構文の紹介
Markdownは「簡単な記号を使って、文章の見た目や構造を整える」ものです。
READMEを書く際によく使う基本的な構文を紹介します。
見出し(タイトル)
見出しは # を使います。数が増えるほど、小さな見出しになります。
# 大見出し
## 中見出し
### 小見出し
箇条書き
- または * を先頭に置くと、箇条書きになります。
- プロジェクトの概要
- セットアップ手順
- 使用方法
手順の番号リスト
順序付きのリストは数字とピリオド(例:1.)で書きます。
1. プロジェクトをクローンする
1. パッケージをインストールする
1. .env を設定する
強調(太字・斜体)
**太字** や *斜体* のように囲むことで、文の一部を強調できます。
これは **重要な説明** です。
コードブロック
1行だけなら `このように` と囲み、複数行なら3つのバッククォート(“`)で囲みます。
```php artisan migrate
リンク
外部サイトや参考URLを載せるときは [テキスト](URL) で書きます。
[Laravel公式サイト](https://laravel.com/)
表の書き方
| を使ってテーブルが書けます(READMEでもよく使われます)。
| 項目名 | 説明 |
|--------|------|
| name | ユーザーの名前 |
| email | 連絡用メール |
こうした基本構文だけで、整ったドキュメントが簡単に書けるようになります。
実際にREADMEを書いてみよう!
ここからは実際に今回使用するお問い合わせフォームのREADMEを作成してみたいと思います。
# アプリ名:Contact Form (お問い合わせフォーム)
このプロジェクトは、Laravel 8 を用いたシンプルなお問い合わせフォームです。
ユーザーが入力 → 確認 → 送信 → 完了 に至る一連の画面構成に加え、管理者向けの履歴表示機能も備えています。
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## 作成した目的
Laravelの学習のため
## アプリケーションURL
[https://contactform.nanami-teruma.net/](https://contactform.nanami-teruma.net/)
## 機能一覧
- 入力フォーム(バリデーション付き)
- 確認画面 → 完了画面の遷移
- 問い合わせ内容のDB保存(`contacts` テーブル)
- 管理画面での一覧/詳細表示
## 動作環境
- PHP 7.4.9
- Laravel 8.x
- MySQL 8.x
## テーブル設計
### Contactテーブル
| カラム名 | 型 | PRIMARY KEY | UNIQUE KEY | NOT NULL | FOREIGN KEY |
|--------------|------------|--------------|-------------|-----------|--------------|
| id | bigint | 〇 | | 〇 | |
| name | string | | | 〇 | |
| email | string | | 〇 | 〇 | |
| age | integer | | | 〇 | |
| gender | string | | | 〇 | |
| interests | text | | | | |
| message | text | | | 〇 | |
| created_at | timestamp | | | 〇 | |
| updated_at | timestamp | | | 〇 | |
## バリデーションルール一覧
| カラム名 | バリデーションルール例 |
|------------|--------------------------------------------------|
| name | `required`, `string`, `max:255` |
| email | `required`, `email`, `max:255`, `unique:contacts,email`|
| age | `required`, `integer`, `min:0`, `max:120` |
| gender | `required`, `in:male,female,other` |
| interests | `nullable`, `array` |
| message | `required`, `string`, `max:1000` |
## 環境構築
### リポジトリの取得と環境ファイル準備
1. git clone git@github.com:teruma-nanami/contactform.git
1. cd contactform
1. cp .env.example .env
### Dockerビルド
1. docker compose up -d --build
### PHPコンテナに入る
1. docker compose exec php bash
### Laravel環境構築
1. composer install
1. php artisan key:generate
1. php artisan migrate
1. php artisan db:seed
1. php artisan storage:link
## 注意点
- ログイン機能やメール送信などは未実装
- ポートフォリオにすることは目的としていないため、CSS未実装
今回はこれから作成するアプリである「お問い合わせフォーム」のREADMEを作成しました。
今後、別のアプリを個人で開発する場合は上記のREADMEをテンプレートとして使用してもらえれば、と思います。
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